R1-Zは、排気量249ccの2気筒エンジンを積んだネイキッドバイクです。1990年~1999年にヤマハが販売していたバイクです。2017年現在は、中古車の購入だけが可能です。
画像を入手できなかったので動画をご覧ください↓
R1-Zの加速動画です↓ 2ストバイク特有の甲高いエンジン音とともに白煙をまき散らし、走り去っていく姿が、最高にかっこいいです。周りの人には、迷惑だったりもしますが。。。(^^;)(笑)
スチール(鉄)製の「トラスフレーム」、「右側2本だしのカーボンサイレンサー」、20年以上も前に発売されたバイクですが、今見てもスタイリッシュなR1-Z。1990年に、その洗練されたデザインで、グッドデザイン賞を受賞しました。
1980年代、サーキットを走るレーシングバイクを一般公道で走れるように改良した、「レーサーレプリカ」を各社が競って発売していました。俗に言う、「レーサーレプリカブーム」です。そのレーサーレプリカブームの全盛期に発売されたR1-Z。レーサーレプリカの「TZR250」と同型の2ストローク、パラレルツイン(並列2気筒)エンジンを搭載しています。「2ストロークエンジン」は、シンプルな構造で軽量、小排気量でも高出力が得られる(理論上、同じ排気量の4ストロークエンジンに比べて、2倍の出力を得られる)ため、レーサーレプリカのエンジンに採用されていました。現在は、排ガス規制により、使われていません。
サーキットを走ることを目的とした、レーサーレプリカの「TZR250」とは異なり、R1-Zは、幅広いシーンで扱いやすい走りを可能にするために、低中速重視のエンジンセッティング、ミッションもローギアードに設定されています。レーサーレプリカよりも扱いやすく、2ストバイクを気負わずに乗れる。それが、R1-Zです。
このページでは、R1-Zを徹底的に解説します。
※当ページは、簡単にスペックで比較し、筆者の独断と偏見で書かれています。また、バイクはスペックだけで善し悪しを判断することは出来ませんので、参考程度にお読み下さい。
各項目毎にコメント欄がありますので、実際にR1-Zに乗った事のあるライダー様のコメントをお待ちしております。
バイクの加速性能は、パワーウェイトレシオを指標にすると分かり易いです。
パワーウェイトレシオとは、バイクの車両重量(kg)を最高出力(ps)で割った値です。
つまり、1ps(馬力)が負担する重量を表します。この値が小さいバイクほど、加速性能が良いと考えられます。
R1-Zの車両重量は152kg、最高出力は45psなので、
152 ÷ 45 = 3.4
R1-Zのパワーウェイトレシオは3.4です。
250ccバイク70車種の平均のパワーウェイトレシオは6.3です。
70車種の平均と比べると、R1-Zの加速力は、「ずば抜けて速い」ことが分かります。
70車種中では、4番目の加速性能です。
250ccで最高クラスの加速性能を持ったバイクに乗りたい人に、おすすめです。
R1-Zの最高速度を計算します。バイクの最高速度(km/h)は、
a×60÷b÷c÷d×(e×25.4+f×g/100×2)×3.14÷1,000,000
上記の計算式で求められます。
正確には、走行抵抗やライダーの体重を考慮する必要がありますが、本サイトでは、簡易的に計算しています。
上記の計算式で、R1-Zの最高速度を計算すると、
9500×60÷2.545÷3.214÷0.875×(17×25.4+140×70/100×2)×3.14÷1,000,000 = 157
R1-Zの理論上の最高速度は、157km/hです。
R1-Zユーザーの、ネットへの書き込みを調べたところ、「最高速度は180km/h前後だった」――。との書き込みが多かったです。
以上のことから、R1-Zの最高速度は、180km/h前後だと考えられます。
250ccバイク70車種の最高速度の平均は、141km/hでした。
(※ネットの書き込みを調べて平均した、ざっくりな値です。)
70車種の平均と比べると、R1-Zの最高速度は、「ずば抜けて速い」ことが分かります。
250ccでの最高速トライアルに興味のある方に、おすすめです。(笑)
R1-Zの車両重量は152kgです。250ccバイク70車種の車両重量の平均は154kgです。
70車種の平均と比べると、R1-Zの車重は「平均的な」ことが分かります。400ccと比べて、250ccバイクの車両重量の軽さは、魅力的ですよね。
R1-Zのシート高は775mmです。250ccバイク70車種の平均のシート高は768mmです。
70車種の平均と比べると、R1-Zのシート高は「平均的な」ことが分かります。足つき性は問題なさそうです。
R1-Zの最大トルクの回転数は8500rpmです。最大トルクの回転数とは、そのバイクの、最大の、力強い走行性能を発揮する回転数のことです。
250ccバイク70車種の最大トルクの回転数の平均は、7439rpmです。
70車種の平均と比べると、R1-Zの最大トルクの回転数は、「平均的な」ことが分かります。
R1-Zのエンジンは、8500rpmで最大の力強さを出力します。
通常、街中を走行するときは、7000rpm前後の低回転を頻繁に使用します。
以上のことから、取り回し性が普通、足つき性が普通、ただ、2ストロークエンジンは、エンジンが一定の回転数以上(パワーバンド)になると、いきなり加速するというピーキーな走りになります。街乗りでは、とても扱いにくいエンジンのR1-Zは、街乗り走行にあまり向いていないバイクです。
バイクの使用用途が街乗りメインの人には、おすす出来ません。
高速道路の走行で、重要なのは、 以下の3項目です。
R1-Zは、先ほど、最大トルクの回転数が、「平均的なエンジン」で、「平均的な車両重量」、「平均的なシート高」だと説明しました。
以上のことから、R1-Zは、高速道路の走行に、「向いている」ことが分ります。
バイクで高速道路を頻繁に走行する人に、おすすめです。
「ノーグッドデザイン賞!!」――カスタムされたR1-Zです↓
カスタムされたR1-Zです。私的意見ですが、かなりやらかしているかと・・・(^^;)
シングルシート、極薄なテールカウル、極小なテールカウル、なにより、タンクに貼っているシールがめちゃくちゃダサいですね。ノーグッドデザイン賞の受賞は、間違いないでしょう。※私的意見です。
峠を攻めるには、加速性能、ブレーキ性能、旋回性能が重要です。1つずつ見ていきます。
加速と減速を頻繁に繰り返す峠道を速く走るには、加速性能が優れていることが絶対条件です。
先程、R1-Zの加速力は、250ccバイクの中では、「ずば抜けて速い」ことを説明しました。峠を攻めるのに、十分な加速性能を持っています。
峠道を攻めるには的確な減速が必要です。そのためには、ブレーキのコントロール性能が重要になります。
バイクのブレーキには、ダブルディスク、シングルディスク、ドラムブレーキがあります。
下の表は、250ccバイクの、前輪、後輪のブレーキの組み合わせです。
番号 | 前輪 | 後輪 | コントロール性能 |
---|---|---|---|
(a) | ダブルディスク | シングルディスク | 良い |
(b) | シングルディスク | シングルディスク | 普通 |
(c) | シングルディスク | ドラム | 悪い |
コントロール性能が良いブレーキの組み合わせは、
(a) > (b) > (c) の順番になります。
R1-Zのブレーキの組み合わせは、(a) です。
R1-Zのブレーキのコントロール性能は、「良い」ことが分かります。
急カーブの続く峠道を走行するには、旋回性能が重要になります。ここでは、2つの指標を使って、R1-Zの旋回性能を調べます。
トレール量とは、ステアリングヘッドの延長線が地面に当たる点と、タイヤの接地点、この2点の距離です。
トレール量が大きいと直進安定性能が、小さいと旋回性能が良くなります。
R1-Zのトレール量は92mmです。250ccバイク70車種の平均のトレール量は、98mmです。
70車種の平均と比べると、R1-Zのトレール量は、「少し小さい」ことが分かります。
ホイールベースとは前輪の中心から後輪の中心までの長さです。
ホイールベースが長いと直進安定性能が、小さいと旋回性能が良くなります。
R1-Zのホイールベースは1380mmです。250ccバイク70車種の平均のホイールベースは1425mmです。
70車種の平均と比べると、R1-Zのホイールベースは、「なかなか短い」ことが分かります。
少し小さいトレール量、なかなか短いホイールベースを持つR1-Zの旋回性能は、250ccバイクとしては「良い」ことが分かります。
以上のことから、R1-Zの峠走行をまとめると、
R1-Zは、峠走行に最適なバイクと言えます。
250ccバイクで、峠を攻めたい人にはピッタリなバイクです。
R1-Zのエンジンは、「2気筒、2ストローク」です。2ストロークエンジンは、シンプルな構造で部品点数が少なく、メンテナンス性が良いのですが、 故障の頻度が、4ストロークエンジンよりも多いです。自分でメンテナンスを出来ない人は、 メンテナンスの費用が高くなってしまいます。
R1-Zの最終年式は、1999年です。生産終了後、24年も経過しています。もはや、旧車の部類に入るでしょう。購入後、間違いなく、不具合が多発するでしょう。バイクの整備は自分でやる(やりたい)、ちょっとした不具合なら治せる(治したい)、人以外にはお勧め出来ないです。
R1-Zの燃費をネットの書き込みで調べたところ、15km/l前後でした。250ccバイク70車種の燃費の平均は、28km/lでした。
(※ネットの書き込みを調べて平均した、ざっくりな値です。)
70車種の平均と比べると、R1-Zの燃費は、「とても悪い」ことが分かります。
燃費がとても悪いので、ガソリン代が・・・。(´;ω;`)
以上のことからR1-Zの維持費は、「とても高い」ことが解ります。
バイク保険のおすすめは?バイク保険の選び方とバイク保険を安くする方法
項目 | 評価 |
---|---|
加速性能 |
|
最高速度 |
|
街乗り走行 |
|
高速道路の走行 |
|
峠走行 |
|
維持費 |
|
総合評価 | 68点 |
今では希少な2ストロークバイク。R1-Zも、その中の1台です。このバイクを維持するための、手間や費用を考えると、普通のバイク乗りには負担が大きいと思います。こんな時代に、「絶対に2ストバイクに乗りたい!!」、「絶対にR1-Zに乗りたい!!」と思うようなマニアックなライダーには、是非、乗って頂きたいなと思います。(笑)コスパを気にする人は、絶対に購入しないように。(^^;)
最後に・・・
バイク購入は、見た目で決めましょう!!
自分がカッコいいと思ったバイクに乗るのが一番です。他人のバイクを批判する人の意見は無視しましょう。
車種名 | R1-Z |
メーカー | ヤマハ |
タイプ | ネイキッド |
エンジン | 2気筒(2ストローク) |
総排気量(cc) | 249 |
ミッション | MT |
最高出力(ps/rpm) | 45/9500 |
最大トルク(kgf・m/rpm) | 3.7/8500 |
車両重量(kg) | 152 |
タンク容量(L) | 16 |
シート高(mm) | 775 |
トレール量(mm) | 92 |
ホイールベース(mm) | 1380 |
ブレーキ(前輪) | ダブルディスク |
ブレーキ(後輪) | シングルディスク |
1次減速比 | 2.545 |
2次減速比 | 3.214 |
変速比(6速) | 0.875 |
ホイール径(inch) | 17 |
タイヤの幅(mm) | 140 |
扁平率(%) | 70 |
年式 | 1990年 |
バイクの保管場所に困っているバイク乗りにおすすめしたいのが、レンタルコンテナでバイクを保管するという選択です。 私自身、現在、愛車のSR400をレンタルコンテナで保管しています。
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