フュージョンは、排気量244ccの単気筒エンジンを積んだビッグスクーターです。ホンダが1985年~1996年、2003年~2007年に販売していたバイクで、2017年現在は、中古車の購入だけが可能です。
フュージョンの紹介動画です↓
個性派ですよね、フュージョンは。ローロングなスタイルで、前から見たときの新幹線のようなデザイン、スクーターなのに後輪にフットブレーキを採用していたりで。
個性派なので、好き嫌いも、はっきりと分かれるバイクです。「なにこのペシャンコバイク?」――と馬鹿にする人もいますし、「レトロなデザインが最高!」――という熱狂的なファンも多いです。男性よりも、どちらかといえば、女性に人気のあるイメージです。足つき性が良く、2人乗りが快適なことが、女性に人気の理由です。
このページでは、フュージョンを徹底的に解説します。
※当ページは、簡単にスペックで比較し、筆者の独断と偏見で書かれています。また、バイクはスペックだけで善し悪しを判断することは出来ませんので、参考程度にお読み下さい。
各項目毎にコメント欄がありますので、実際にフュージョンに乗った事のあるライダー様のコメントをお待ちしております。
バイクの加速性能は、パワーウェイトレシオを指標にすると分かり易いです。
パワーウェイトレシオとは、バイクの車両重量(kg)を最高出力(ps)で割った値です。
つまり、1ps(馬力)が負担する重量を表します。この値が小さいバイクほど、加速性能が良いと考えられます。
フュージョンの車両重量は169kg、最高出力は19psなので、
169 ÷ 19 = 8.9
フュージョンのパワーウェイトレシオは8.9です。
250ccバイク70車種の平均のパワーウェイトレシオは6.3です。
70車種の平均と比べると、フュージョンの加速力は、「とても遅い」ことが分かります。
70車種中では、62番目の加速性能です。
加速力を求める人には、不満なバイクです。のんびり走りたい人以外は、別のバイクを選びましょう。
フュージョンユーザーの、ネットへの書き込みを調べたところ、「最高速度は120km/h前後だった」――。との書き込みが多かったです。
以上のことから、フュージョンの最高速度は、120km/h前後だと考えられます。
250ccバイク70車種の最高速度の平均は、141km/hでした。
(※ネットの書き込みを調べて平均した、ざっくりな値です。)
70車種の平均と比べると、フュージョンの最高速度は、「とても遅い」ことが分かります。
それでも、高速道路の法定速度は出せます。十分ですよね・・・?
フュージョンの車両重量は169kgです。250ccバイク70車種の車両重量の平均は154kgです。
70車種の平均と比べると、フュージョンの車重は「少し重い」ことが分かります。とはいっても、取り回しに困る程の重さではないです。
フュージョンのシート高は665mmです。250ccバイク70車種の平均のシート高は768mmです。
70車種の平均と比べると、フュージョンのシート高は「ずば抜けて低い」ことが分かります。小柄な(背の低い)人におすすめです。
フュージョンの最大トルクの回転数は5000rpmです。最大トルクの回転数とは、そのバイクの、最大の、力強い走行性能を発揮する回転数のことです。
250ccバイク70車種の最大トルクの回転数の平均は、7439rpmです。
70車種の平均と比べると、フュージョンの最大トルクの回転数は、「ずば抜けて速い」ことが分かります。
フュージョンのエンジンは、5000rpmで最大の力強さを出力します。
通常、街中を走行するときは、7000rpm前後の低回転を頻繁に使用します。
以上のことから、取り回し性が悪く、足つき性がとても良く、街乗り走行で本領を発揮する低回転を得意とするエンジンのフュージョンは、街乗り走行に向いているバイクです。
バイクの使用用途が街乗りメインの人には、おすすめです。
高速道路の走行で、重要なのは、 以下の3項目です。
フュージョンは、先ほど、最大トルクの回転数が、「ずば抜けて速いエンジン」で、「少し重い車両重量」、「ずば抜けて低いシート高」だと説明しました。
以上のことから、フュージョンは、高速道路の走行に、「それなりに向いている」ことが分ります。
高速道路の走行でも、十分に活躍してくれます。
「おしゃれなフュージョン!!」――カスタムされたフュージョンです↓
フュージョン+ワインレッドの外装は定番のカスタムです。メッキパーツやLEDウィンカーで装飾したスタイルは、女性の人気もあります。ビッグスクーターは、見た目をカスタムするのも、楽しみの1つです。
峠を攻めるには、加速性能、ブレーキ性能、旋回性能が重要です。1つずつ見ていきます。
加速と減速を頻繁に繰り返す峠道を速く走るには、加速性能が優れていることが絶対条件です。
先程、フュージョンの加速力は、250ccバイクの中では、「とても遅い」ことを説明しました。峠を攻めるのには、完全に加速性能が足りません。
峠道を攻めるには的確な減速が必要です。そのためには、ブレーキのコントロール性能が重要になります。
バイクのブレーキには、ダブルディスク、シングルディスク、ドラムブレーキがあります。
下の表は、250ccバイクの、前輪、後輪のブレーキの組み合わせです。
番号 | 前輪 | 後輪 | コントロール性能 |
---|---|---|---|
(a) | ダブルディスク | シングルディスク | 良い |
(b) | シングルディスク | シングルディスク | 普通 |
(c) | シングルディスク | ドラム | 悪い |
コントロール性能が良いブレーキの組み合わせは、
(a) > (b) > (c) の順番になります。
フュージョンのブレーキの組み合わせは、(c) です。
フュージョンのブレーキのコントロール性能は、「悪い」ことが分かります。
急カーブの続く峠道を走行するには、旋回性能が重要になります。ここでは、2つの指標を使って、フュージョンの旋回性能を調べます。
トレール量とは、ステアリングヘッドの延長線が地面に当たる点と、タイヤの接地点、この2点の距離です。
トレール量が大きいと直進安定性能が、小さいと旋回性能が良くなります。
フュージョンのトレール量は90mmです。250ccバイク70車種の平均のトレール量は、98mmです。
70車種の平均と比べると、フュージョンのトレール量は、「少し小さい」ことが分かります。
ホイールベースとは前輪の中心から後輪の中心までの長さです。
ホイールベースが長いと直進安定性能が、小さいと旋回性能が良くなります。
フュージョンのホイールベースは1625mmです。250ccバイク70車種の平均のホイールベースは1425mmです。
70車種の平均と比べると、フュージョンのホイールベースは、「とても長い」ことが分かります。
少し小さいトレール量、とても長いホイールベースを持つフュージョンの旋回性能は、250ccバイクとしては「普通である」ことが分かります。
以上のことから、フュージョンの峠走行をまとめると、
フュージョンは、峠走行にあまり向いていないバイクと言えます。
峠を攻めたいなら、他のバイクをお勧めします。
フュージョンのエンジンは、「単気筒、4ストローク」です。単気筒エンジンは、部品点数が少なく、構造が簡単なため、メンテナンス時の部品代、工賃が安く済みます。
フュージョンの最終年式は、2007年です。生産終了後、17年も経過しています。もはや、旧車の部類に入るでしょう。購入後、間違いなく、不具合が多発するでしょう。バイクの整備は自分でやる(やりたい)、ちょっとした不具合なら治せる(治したい)、人以外にはお勧め出来ないです。
フュージョンの燃費をネットの書き込みで調べたところ、25km/l前後でした。250ccバイク70車種の燃費の平均は、28km/lでした。
(※ネットの書き込みを調べて平均した、ざっくりな値です。)
70車種の平均と比べると、フュージョンの燃費は、「平均的な」ことが分かります。
250ccバイクとしては、それなりの燃費ですね。
以上のことからフュージョンの維持費は、「平均的な」ことが解ります。
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項目 | 評価 |
---|---|
加速性能 |
|
最高速度 |
|
街乗り走行 |
|
高速道路の走行 |
|
峠走行 |
|
維持費 |
|
総合評価 | 43点 |
フュージョンは、走行性能や収納力を他の250ccビッグスクーターと比べると、すごく見劣りしてしまいます。しかし、その分、中古市場の価格が安いです。フュージョンの一番の特徴としては、乗りやすい。この一言に尽きます。普段の足として使うのであれば、フュージョンは、とてもおすすめです。
最後に・・・
バイク購入は、見た目で決めましょう!!
自分がカッコいいと思ったバイクに乗るのが一番です。他人のバイクを批判する人の意見は無視しましょう。
車種名 | フュージョン |
メーカー | ホンダ |
タイプ | スクーター |
エンジン | 単気筒(4ストローク) |
総排気量(cc) | 244 |
ミッション | AT |
最高出力(ps/rpm) | 19/7500 |
最大トルク(kgf・m/rpm) | 2.1/5000 |
車両重量(kg) | 169 |
タンク容量(L) | 12 |
シート高(mm) | 665 |
トレール量(mm) | 90 |
ホイールベース(mm) | 1625 |
ブレーキ(前輪) | シングルディスク |
ブレーキ(後輪) | ドラム |
1次減速比 | 0 |
2次減速比 | 0 |
変速比(0速) | 0 |
ホイール径(inch) | 10 |
タイヤの幅(mm) | 120 |
扁平率(%) | 90 |
年式 | 2003年2月 |